裂織の製造工程

着物が糸に、そして帯へ 
オンリーワンの帯でおしゃれに

裂織八寸名古屋帯をつくるのに必要なのは絹の着物か羽織です。
色や模様のある縮緬や銘仙は色合いが魅力ですが、紬の味わいは趣深く、黒紋付や黒羽織もおしゃれな帯に変身します。
趣味性の高い帯は小紋、紬にぴったりです。また、織り方で夏帯にも対応でき、着物ライフをさらに充実させます。

裂織の帯が出来るまで

着物を解くことからスタート

裂織に使用するのは仕立て上がっている着物。このままでは糸にならないので、一度着物を解いて一枚の布にします。次にアイロンをかけ裂き糸をとりやすくします。1枚の平坦は布となった着物をはさみを使用して5~6㎜の幅に裂いていきます。着物によって、すっと裂けるもの、裂きにくい物があります。これは生地の組織の違い。
この風合いがオンリーワンの帯になるのです。
写真:右上の生地が元の着物。真ん中が5~6㎜の幅に割いて糸にした状態のもの。生地の下にある帯が完成品。

着物を解くことからスタート
緯糸に裂き糸と絹糸を交互に使用

緯糸に裂き糸と絹糸を交互に使用

織機にかけるため、裂いた糸は紡いで1本の長い糸状にしていき、これを緯糸にして織りあげます。ただ、裂き糸だけで織ると重たい帯になってしまいます。そこで、経糸に絹糸、緯糸は裂き糸と絹糸を交互に織り込みます。これよってしなやかで結びやすい帯になるのです。
織り上げたら表面の毛羽などをきれいにして仕上げます。
小紋、紬にぴったりのしゃれた帯です。しなやかで結びやすく、シワにもなりにくいので、お太鼓だけでなく、銀座結びなどの変わりもおすすめです。

裂織の帯 製品イメージ

裂き糸を織る際、経糸をどうするかによって、仕上がりは全く異なります。高光織物では、白糸、黒糸、白黒の縞糸をご用意しております。

上品な白経糸

経糸に白い絹糸を使用し、緯糸に生成りの絹糸を使用します。裂き糸で色味が入るので、汚れも目立ちにくくなります。
柔らかな白は帯合わせに迷ったときのお助けの1本。オーソドックスですが、上品な仕上がりで、出番も多いことでしょう。

モダンな縞経糸

経糸に白い絹糸と黒い絹糸で縞柄を表現、緯糸に生成りの絹糸を使用します。すでに経糸で縞があり、そこに裂き糸で色味を加えていくことになります。
無地感覚の着物やコート、黒紋付、黒絵羽などで誂えるとモダンな雰囲気になります。
また、夏帯にすると白っぽい夏着物のよいアクセントになること請け合いです。

シックな黒経糸

経糸に黒い絹糸、緯糸に墨黒の絹糸を使用します。墨色が裂き糸のどのような色も受け止めてくれるので落ち着いたシックな仕上がりになります。
裂き糸で明るい色が入るのも面白いものですし、黒地の銘仙や留袖なども雅趣があります。
1本あると重宝な黒系帯ですが、裂織は年齢に関係なく、長期間ご使用いただけます。

同じ着物を織り込んだ帯の比較

同じ着物を経糸につかった帯。経糸で作品の表情が全く変わります。
お手持ちの着物やお好みに合わせてお選びいただけます。


  • 経糸に黒糸を用いたもの。

  • 経糸に白・黒の縞糸を用いたもの。